クラウドワークスは、国内最大級のクラウドソーシングサイトです。利用企業数は78万社、利用ユーザー数は480万人とさまざまな人が集まっています。トラブルを避けるための仕組みの一つに、「秘密保持契約(NDA)」を設けています。
クラウドワークスで仕事をしているとき、クライアントから「秘密保持契約(NDA)を締結したい」といわれて困った経験があるワーカーさんは多いのではないでしょうか。
秘密保持契約を締結すると、クライアントに本名や住所が開示されるため、不安を感じている方も多いでしょう。また、よく知らないまま秘密保持契約を締結してしまうと、トラブルに発展することも。
そこで、この記事ではクラウドワークスにおける秘密保持契約(NDA)の必要性や締結すべきかどうかについて、やり方をわかりやすく解説します。
秘密保持契約(NDA)とは
秘密保持契約(NDA)とは、提供されたクライアントの情報を、クライアントの承諾を得ないまま使用、第三者への開示・漏えいを防止するための契約です。
対象となる秘密情報には、秘密保持契約の有効期間中にクライアントが提供した以下の情報が挙げられます。
たとえば、クライアントから業務を依頼されたときに提供されるマニュアルや手順書、資料などが挙げられます。ただし、クライアントから提供される前から把握していた情報(例えばホームページに掲載されている情報など)は秘密情報に含まれません。
このあたりの詳細は、クラウドワークス「【共通】秘密保持契約の内容について」に詳細が掲載されています。必ずすべて読むようにしましょう。
秘密保持契約は、クラウドワークス上だけでなく、ビジネスにおいて広く利用されている契約の一つです。そのため、秘密保持契約自体は「怪しい契約」というわけでありません。
秘密保持契約を締結する必要性
クライアントがワーカーに秘密保持契約の締結を依頼する理由は、一般的に「クライアントの資産や利益を守るため」です。
機密性の高い情報を第三者に提供・開示することにより、外部漏えいや不正利用のリスクがあります。
たとえば、「ラーメン屋の秘伝のスープのレシピ」を弟子に伝えたところ、弟子が勝手にレシピの内容をSNSに拡散したらどうでしょうか。そのラーメン屋の味を真似るお店が増えれば、顧客が減り、金銭的損害につながるでしょう。
また、外部漏えいや不正利用されたのが顧客情報などの場合、クライアントの社会的信用が失われることも考えられます。
こうした事態を防ぐために、秘密保持契約の締結は必要とされています。
クラウドワークスで秘密保持契約を締結すると、お互いに本名や住所が開示される
クラウドワークスで秘密保持契約を締結すると、双方に本名や住所が開示されます。
開示されるのは秘密保持契約を締結したワーカーとクライアント間のみです。そのため、公に開示されるわけではありません。
そのため完全に匿名で仕事を受注できなくなる点はデメリットですが、クライアントの会社名や本名がわかるため、安心して仕事を受注できるというメリットもあります。
クラウドワークスの秘密保持契約は締結すべき?
クラウドワークスで秘密保持契約を締結する相手は、「クラウドワークス」「クライアント」の2つに分かれています。それぞれの相手と秘密保持契約を締結すべきかどうかを解説します。
「クラウドワークス」との秘密保持契約は締結すべきか
クラウドワークスとの秘密保持契約の締結はおすすめです。
なぜかというと、非公開オプションよりもさらに機密性の高い「NDAオプション」が付与された仕事の受注が可能になるためです。クライアントの立場からしても、秘密保持契約を締結しているワーカーの方が信用して仕事を依頼できるでしょう。
またクラウドワークスは、安心してワーカーがサービスを利用できるようにPマーク(プライバシーマーク)を取得しています。Pマークとは、個人情報を適切に管理していると認証された事業者が使用できる制度です。
そのため、クラウドワークスと秘密保持契約を締結することにより、個人情報が漏えいする可能性は低いといえるでしょう。
「クライアント」との秘密保持契約は締結すべきか
クライアントとの秘密保持契約は、「相手を見極めて締結する」ことがおすすめです。
なぜかというと、悪意をもってクラウドワークスを利用しているクライアントが一定数いるためです。そうしたやばいクライアントと秘密保持契約を締結してしまうと、本名や住所が相手に伝わるために個人情報を悪用されるリスクがあります。
ただし、基本的にはクライアントは本来の目的のために、秘密保持契約の締結を依頼しています。筆者もクライアントと秘密保持契約を締結したことは何度かありますが、トラブルに巻き込まれたことはなく、信頼できるクライアントでした。
「やばいクライアントの見分け方がわからない」という方は、以下の記事もご覧ください。
クラウドワークスで秘密保持契約を締結するやり方
クラウドワークスで「クラウドワークス」「クライアント」と秘密保持契約を締結するそれぞれの方法をまとめました。
「クラウドワークス」と締結する場合
クラウドワークスと秘密保持契約を締結する場合、以下の手順を行います。
- 本人確認を行う
- 「プロフィール編集」から「NDA(秘密保持契約)」を選択する
- NDA(秘密保持契約)の概要を確認する
- 「NDAを締結する」を選択する
「本人確認を行う方法がわからない」という方は、以下の記事をご覧ください。
無事に秘密保持契約が締結されれば、自分のプロフィールに「NDA締結済み」と表示されるため、確認しましょう。
また秘密保持契約を締結すると、本人情報が更新された場合、NDA締結済み情報も自動で更新されます。ただし、一度締結するとNDAは解除できません。
「クライアント」と締結する場合
クライアントと秘密保持契約を締結する場合、以下の手順を行います。
- クライアントから「秘密保持契約リクエスト」が届く
- NDA(秘密保持契約)の内容を確認する
- 「NDAを締結する」を選択する
クライアントによっては、契約内容の最下部に「特記事項」が追記されていることがあります。そのため、しっかりと内容を確認しましょう。
クラウドワークスの秘密保持契約に違反するとどうなる?
クラウドワークスで締結した秘密保持契約に違反すると、どうなるのでしょうか。実は、クラウドワークスの契約書には以下のように記載されています。
第10条(損害賠償)
クラウドワークス「【共通】秘密保持契約の内容について」
甲または乙は、本契約条項に違反したときは、相手方が被った損害を賠償する責を負うものとする。
※ログイン後の契約書には第8条に損害賠償に関する内容が記載されています。
つまり最悪の場合には、損害賠償を支払わなければならない可能性があるのです。秘密保持契約を締結した場合には、必ず内容を遵守しましょう。
個人的には、契約内容に不明点があればクライアントに質問することがおすすめです。たとえば募集要項や秘密保持契約の特記事項に何も記載されていない場合にも、「ポートフォリオに実績として掲載しても良いか」と事前に確認することで、トラブルに発展することを避けられるでしょう。
安定性や高報酬を目指す人は「クラウドワークステック」を
ITエンジニアやWebデザイナー、WebディレクターなどのIT分野で「独立したい」「業務委託で働きたい」などフリーランスになりたい方は、クラウドワークスよりもより専門性の高い求人サービス「クラウドワークステック」を利用することがおすすめです。
クラウドワークステックには、企業や自治体からの長期契約かつ高報酬の案件が多く存在します。また、はじめて稼働するワーカーは3か月間フォローがある、活動状況のヒアリングがあるなどの手厚いサポートから案件継続率は90%以上と高い稼働を実現しています。
より高い報酬を得たい場合や、安定した稼働を目指したい場合には、クラウドワークステックへの登録を検討すると良いでしょう。
まとめ
この記事では、クラウドワークスにおける秘密保持契約(NDA)の必要性や締結すべきかどうかについて、やり方を解説しました。
秘密保持契約は一般的なビジネスにおいては定番の契約である一方、クラウドワークスで締結する場合には、ワーカーが自分で締結を選択しなければなりません。秘密保持契約を締結するメリット・デメリットを把握したうえで、選択しましょう。
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